佐賀大学医学部内科学講座皮膚科
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教室について

診断・治療の
中枢として

佐賀県の皮膚疾患の診断・治療の中枢として機能しております。佐賀県の難治性皮膚疾患の患者は、佐賀県内の開業医・勤務医の先生方より当科にご紹介をいただき、その診断・治療にあたっております。

患者様の外来診療は主治医制ですが、定期的に臨床症状を記録したスライドを用いて複数の医師による相互チェックを行いセカンドオピニオンにより確実で安心な診療を目指しています。

教室のビジョン

佐賀大学皮膚科は、良き仲間との出会いフラットな組織チームワークの3つを医療の実践の基本とし、世界で通用する皮膚科学教室になることを目指しています。ビジョンに共感し、地域への貢献や新しい取り組みを通して皮膚科学を発展させたいと思っています。

教室の歴史

1976年(昭和51年)10月、佐賀医科大学が創立。本学の基本構想に大講座制が採用されたため、皮膚科学教室は内科学講座に統合され内科学皮膚科として、1980年4月1日に初代幸田教授の着任により産声をあげました。

内科学講座に組み込まれた当科の特徴は、早速、その研修制度にあらわれることとなります。すなわち、それは皮膚科研修の前に、1年間の内科研修が義務づけられ、いわば現在の臨床研修制度の先駆けでもありました。

教室の基本方針として、内科学講座に属する当科の特徴を生かした、内科的素養のある皮膚科医の育成、加えて、皮膚外科診療が可能な教室作りを目指しました。その指針は脈々と現在まで生き続け、重症患者、内科的疾患を合併した皮膚科患者の診療は内科医との迅速な連携で対処する業をもって当科のお家芸となっています。

特色

  1. アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、薬疹などの免疫アレルギー疾患、自己免疫疾患など幅広く診療をおこなっております。薬物アレルギーは患者様に不安を与え、治療薬剤選択時の大きな障害となりますので、原因薬剤の特定を行い、安全な薬剤の使用にお役立て頂いております。その他、食物・金属アレルギーなどの検査も行っております。また、難治性脱毛症、難治性疣贅においては局所免疫療法を用いた治療をおこなっており,優れた臨床成績をあげています。難治性の円形脱毛症には生物学的製剤による治療もおこなっております。
  2. 当科の専門外来(乾癬外来)では、最新のエビデンスや皮膚免疫学、皮膚病理組織学に基づいた乾癬、掌蹠膿疱症に対する分子標的治療もおこなっております。
  3. 当科は、佐賀県の皮膚癌治療センターとなっており、外来手術を除いた年間手術件数は、約200件です(悪性腫瘍以外の疾患も含む)。日本皮膚科学会の科学的根拠に基づく皮膚悪性腫瘍診療ガイドライに沿った治療を行っております。悪性黒色腫、有棘細胞癌、乳房外Paget病などに対しては、適応があれば、センチネルリンパ節生検を施行しており、必要があれば免疫チェックポイント阻害薬も併用しております。
  4. 当科では、皮膚リンパ腫の早期診断・早期治療にも力をいれており、光線治療、抗悪性腫瘍剤、放射線治療等の治療をおこなっております。
  5. 常に患者様中心の医療を心がけており、皮膚疾患のみならず、内科疾患を伴った患者様は迅速に内科医とタイアップして、その診断・治療を行っております。母斑・皮膚腫瘍の外科的治療において、整容面が重視される特殊な場合は、形成外科専門医との共同治療により整容的・機能的に配慮した治療を行っています。また、重症皮膚感染症、重症熱傷、重症薬疹の全身管理はICUスタッフによる全面的なバックアップ体制にあります。
  6. 当科は、医学的根拠や理論に立脚した質の高い治療を提供し、医学的根拠の乏しい非論理的な治療は行わないことを基本方針としております。適切な治療を提供するため、皮膚科の臨床に必須の皮膚病理組織診断に力をいれています。